「冬になると、救急車のサイレンをよく聞く気がしませんか?」
実際に、冬は1年で最も脳卒中(脳梗塞や脳出血)が多い季節です。特にここ札幌の厳しい寒さは、私たちの血管に大きな負担をかけます。
こんにちは、リハトリップの作業療法士の逢見(おおみ)です。
多くの方は「血圧が高いから」と原因は分かっていても、「具体的に生活の中で何をすべきか」までは意識していないことが多いのではないでしょうか。
今日は、私たち作業療法士(OT)の視点から、ご自宅の中に潜む危険な「ヒートショック」と、それを防ぐための「環境と動作の工夫」をご紹介します。
OTの視点:なぜ冬は危険?最大の敵は「温度差」
脳卒中の最大の引き金、それは暖かい部屋から寒い場所へ移動した際の「急激な温度差(ヒートショック)」です。
寒い廊下やトイレに行くと、体は熱を逃がさないように血管を「ギュッ!」と収縮させます。この瞬間に血圧が急上昇し、脳の血管が破れたり詰まったりしやすくなるのです。
OTの動作分析:家の中に潜む「危険な作業」3選
では、具体的にどんな時に危険が高まるのでしょうか。OTが分析する「要注意な動作」がこの3つです。
【動作分析】
暖かい布団から出て、冷え切ったトイレへ移動(血圧上昇)。さらに、排泄のために「力む」(血圧さらに上昇)。この「寒さ」と「力み」のダブルパンチが非常に危険です。
【動作分析】
寒い脱衣所で服を脱ぐ(血圧上昇)→ 熱いお湯に浸かる(血管が広がり血圧急降下)→ 再び寒い脱衣所へ(血圧上昇)。血圧の「乱高下」が心臓や脳に負担をかけます。
【動作分析】
暖かい部屋から、パジャマや薄着のまま外へ出る。そして冷たい空気の中で、重い雪を持ち上げる。「寒さ」と「急な運動」は、脳卒中の大きなリスクです。
OTの処方箋:生活を変える「3つの工夫」
筋トレや食事制限も大切ですが、まずは「今すぐできる」環境と動作の工夫でリスクを減らしましょう。
「我慢」は禁物です。トイレや脱衣所に小型のヒーターを置き、部屋との温度差をなくしましょう。これだけで血管への負担は劇的に減ります。
【OTの裏技】
夜間頻尿がある方は、冬の間だけ寝室に「ポータブルトイレ」を置くのも、最強の予防策です。
ゴミ出しや雪かきで外に出る時は、必ず「首・手首・足首」を温めてから出てください。太い血管がある場所を冷気にさらさないことが重要です。
冬は喉が渇きにくいため、水分不足になりがちです。水分が減ると血液がドロドロになり、詰まりやすくなります(脳梗塞)。
【対策】
「朝起きたら白湯を1杯」「入浴前に水を1杯」など、喉が渇いていなくても飲むルーティン(習慣)を作りましょう。
まとめ:生活(作業)を見直すことが、最強の予防
脳卒中予防は、病院だけでなく「ご自宅の日常生活」の中にこそヒントがあります。
トイレや入浴、雪かきといった「毎日の作業」と、家の中の「環境」を見直す。それが私たち作業療法士(OT)からのご提案です。
リハトリップの「冬のあんしん定期便」では、危険な雪かき作業の代行や、お買い物などの外出支援も行っています。
「ヒヤリ」とする前に、ご自宅の生活を一度見直してみませんか?



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