「最近、なんだか外に出るのが億劫になった…」
「玄関の段差が怖くて、外出をためらってしまう」
そんな風に感じていませんか?
その原因、もしかしたら毎日使う**「玄関」**にあるかもしれません。
こんにちは、リハトリップの作業療法士です。玄関は、ご自宅と社会を繋ぐ大切な場所。ここでの動作がスムーズにいかないと、旅行やお買い物どころか、近所のお散歩さえも意欲が低下してしまいます。
今日は作業療法士の視点で、なぜ玄関動作が難しくなるのか、そして安全に外出するための工夫を詳しく分析します。
OTの動作分析:なぜ「玄関」は難しいのか?
玄関での一連の動作は、私たちが思う以上に複雑な動きの連続です。特に難しいのが「上がりかまちの昇降」と「靴の着脱」です。
分析①:「上がりかまち」の昇降
玄関の段差(上がりかまち)を上り下りする動作です。ここで必要となるのは、主に以下の3つの能力です。
- バランス能力:体重を片足に完全に移し、もう片方の足を操作する。
- 下肢の筋力:段差を乗り越えるために、太ももやふくらはぎの筋肉で体を持ち上げる/支える力。
- 感覚と視覚:足を下ろす場所を正確に目で見て、足の裏で床を感じ取る力。
特に段差を降りる際は、重心を前や下へコントロールしながら片足で体を支える必要があり、高齢者にとっては最も転倒リスクが高い動作の一つです。
分析②:「靴の着脱」
次に、靴を履いたり脱いだりする動作です。もし立ったまま行おうとすると、さらに難易度が上がります。
- 柔軟性:靴に手を伸ばすため、深く前かがみになる(体幹や股関節の)柔らかさ。
- 不安定なバランス:不安定な片足立ちで、前かがみの姿勢を保持する力。
- 手指の細かな動き:靴ベラを使ったり、マジックテープを留めたりする器用さ。
【⚠️OTの安全チェック】良かれと思った工夫が、危険の原因に?
ここで、私の祖母の話をさせてください。祖母も玄関での靴履きが大変になり、安全のために「玄関椅子」を置くことにしました。
これはとても良い工夫でした。しかしある日、その椅子から立ち上がろうとした時、支えにしようと無意識に手を置いた玄関棚…。そこに敷いてあった**「レースの敷物」がツルッと滑り**、祖母は転びそうになってしまいました。
【OTの分析】
「椅子に座る」対策は大正解でした。しかし、次の「椅子から立ち上がる」動作を見落としていたのです。近くに掴まる手すりが無かったため、祖母は一番近い「棚」を手すり代わりに使おうとしました。そこに「滑る敷物」という危険な環境があったため、ヒヤリハットが発生したのです。
教訓は、「動作の一部分」だけでなく「一連の流れ」で安全を考えること。椅子を置いたら、そこから安全に立ち上がれるか?まで想像することが大切です。
今日からできる!玄関動作を「楽」にする3つの工夫
おばあ様のエピソードも踏まえて、作業療法士が推奨する3つの工夫をご紹介します。
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工夫①:【最重要】玄関椅子を「安全に」設置する
靴の着脱は「座って行う」ことを徹底しましょう。それだけで転倒リスクは激減します。そして、立ち上がりのために、椅子の横に「縦手すり」を設置できれば完璧です。 -
工夫②:環境の「すべる・ひっかかる」を徹底排除
おばあ様のような棚の敷物、めくれやすい玄関マット、置きっぱなしの靴や傘立ては、すべて「転倒の原因」です。玄関は常にスッキリと片付けておきましょう。 -
工夫③:道具と靴を見直す
柄の長い靴ベラ(シューホーン)を使えば、深くかがむ必要がなくなります。また、靴紐や複雑な金具は避け、マジックテープやスリッポンなど、着脱しやすい靴を選ぶことも重要です。
まとめ:玄関が変われば、生活が変わる
玄関は「バリア」ではなく、あなたの「社会への入り口」です。少しの工夫で、外出のハードルは劇的に下がります。
リハトリップは、こうしたご自宅の環境整備のご相談から、旅行先のバリアまで、理学療法士・作業療法士の専門的な視点ですべてをサポートします。
安全な玄関から、私たちと一緒に「もう一度、あの場所へ」出かけてみませんか?
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